240年続く代々継承されて技術と独自の自家製肥料にこだわった米作り 駒形 宏伸さん / こまがた農園 新潟県 南魚沼市 農薬8割減・化学肥料不使用栽培 お米日本一コンテスト:最高金賞 米・食味分析鑑定コンクール:特別優秀賞 世界No.1 DJを辞め、嫌いだった農業に‥ 240年続く農家の10代目として生まれましたが、小さい頃は農業が嫌いでした。 ファッションもかっこ悪いし、いいイメージを持てず、すごい抵抗がありました。 そんな反抗からか、大学時代に出会った華やかなDJの世界にのめり込み、世界チャンピオンになれたのですが、基本恥ずかしがり屋な性格なので、DJの派手なパフォーマンスすることについては、結構無理していましたね。 元々自然や動物が好きなので都会には絶対住めないなと思ってましたし、親父からの言い付けもあったのですが、「俺もいつかは農家を継がなくてはいけない」とずっと心の片隅にありましたから、自然と親父を手伝うようになりました。 そんな中、お米でも技術を競えるコンクールがあることを知り、自分の凝り性な性格に火が付いたのか、米作りのプロのところに何度も何度も通っては、美味しい米の作り方を必死になって勉強するようになり、徐々にDJ頃のような探求心が湧きてきました。 また、親父と一緒に農業をすることで、この土台を長年守り続けた親父の偉大さと、自然を相手にする農業の難しさを知り、情熱も益々高まりました。 “難しいこと=つまらないこと”ではなく、難しいからこそ面白い。昔は嫌いだった農業が今では生きがいになっています。 お米の生態をもっと知りたい。とにかくお米の生育をコントロールしたい。 理想は、もっと甘みを増やして、粒も大きくして、もっとインパクトのあるコシヒカリを作ることなのですが、そのためには、まずお米の生態を理解し、自分で稲の生育をコントロール出来なくちゃダメだと思うんです。 稲の成長具合を見て、葉っぱの状態や色見て、稲が何を欲しがっているか分からないと、自分の思い通りのお米は出来ません。 すごいお金掛るのですが、成分調査や土質調査を行うことで、どんなものを肥料に入れると、どうゆう成分が組み合わさって、いつ発酵して、それを根が吸って、お米がどう変わるのか。逆に何が足りてないかが分かる ようになってきます。 理想の肥料を求め試行錯誤した結果、魚やカニ、昆布、米糠など有機質の原料を1年間発酵させた自家製EM菌肥料にたどり着きました。 粒の大きさとお米の甘みを増やすことが出来ます。 人と同じで健康で良質な土壌ほど、お米の生育に一番いい 結局のところ、美味しいお米を作るためには必要なことだと思っています。 米糠ペレットを除草剤代わりに使うのも、稲の成長には田んぼの微生物が重要だと思うからですし、自家製の有機肥料を使うのも、土に活力を与えお米の甘みをもっと増やしたい理由があってのことです。 美味しいお米の作り方を追求すると、農薬・化学肥料は自然と減っていきました。 規模を広げす、理想のお米を追求したい。 作っているものに自信があるからこそ、規模を広げて品質を落とすより、自分の目が届く範囲で納得のいく米作りを続けていきたいと思ってます。 自分自身まだ若いし、野心もあるから、もちろん売上を伸ばしたいのもあるけど、それより毎年新しい事に挑戦して、お米にとって最良なオリジナル農法を突き詰めたい気持ちが強いです。 また、自分の好きな地元に何かしら貢献できればとも思っています。 何もないすごい田舎なのですが、自分がコンクールで金賞を取ったりすることで周りが感化され、もっといい米を作りたいとか、コンクールに挑戦してみたりとか、新しいことに挑戦する若い連中が少しずつ増えてくれたら、地元への貢献になるんじゃないかと思ってます。 Tweet Share Pin it 樋口 貴幸さん